※「カゲロウデイズ」は「じん自然の敵P)様」の原作です
  オケ音源・歌詞以外は当チーム・サイトの二次創作になります


「カゲロウデイズ デニロウ版」動画設定資料目次
 二次創作小説
 制作者
 コンセプト・テーマ
 キャラクター設定
 舞台設定
 筋書
 演出
 原作歌詞


「カゲロウデイズ デニロウ版」二次創作小説
1 エピソード「イヴ」
 「さあ歌いたまえ、僕のために」

 神経質そうな高い鼻声が響く
 そこは地平線までなにもない白い世界

 チェス盤模様の床に均等に配列された
 緑や黄の髪色をした少年少女たちが
 ローブを纏った白髪の少年を見上げながら唄う

 プログラムされたように正確に
 歌う
 彼らは天使の聖歌隊だ

 眠たそうな目で少年はつぶやく

 「人の子に似せて作った天使の歌を、
 人の子が模して歌ってみたと…
 この世は継承の繰り返しだな
 進化のない繰り返しは退屈だ
 しかし…

 彼の歌は欲しい

 欲しい…か、
 まるで人の子のようだな僕は」

 少年の目線の先には
 水溜まりのような窓が浮いている

 カゲロウのように揺れる波紋ごしに
 男の子が映っている

 男の子は白いワイシャツに
 紺のズボンを履いた制服姿だ
 パソコンにつながれたマイクに向かって歌っている

「なんて素敵な声だろうか
 彼が僕のために歌ってくれるなら
 灰色の悠久に七色の光が射すことだろう
 彼には僕の世界に来てもらおう」

 少年は、男の子に一目惚れした


 白髪の少年は彼岸に住む神だ
 大きくつりあがった目、瞳は血のように紅い
 眉はうすく、肌は死人のように白い
 口はひきつり、耳は妖精のような長い耳だ
 半分に白と黒に分かれた色のローブを纏う

 白髪の少年は神、名称は不明
 神は運勢をあやつり現世の命を奪う
 生き物のような複雑な無機物を彼岸に作り出す

 神は人間の女の子に魅せられたことがあった
 女の子は黒い服を着て、
 一人で草原の中、空を撮っていた
 男でも女でもないような、
 子どものような大人のような
 曖昧で凛とした雰囲気の人間に、
 神は釘付けになっていた

 姿を現し話しかけた

 「今日君は死ぬ」

 「死神サマかい、言われなくても今回で諦めるよ」

 「今回とはどういう意味だ」

 「わたしは時間を巻き戻せるんだよ」

 「抗った先に何があった?」

 「ああ、先に逝く答えは出たよ」

 「僕の歌を唄う天使になってくれ」

 「この世に未練はないよ」

 「人の子の魂で天使が作れるんだ
  天使になれば永遠さ
  僕は神だ」

 「神?じゃあキミのことはじんって呼ぶよ
  じんくんの歌は素敵なんだろうね
  でもわたしは人だから逝くよ」

 「僕の天使にならないなら壊れてしまえ」

 「お好きに、わたしは運命を受け入れるよ」

 「命は邪魔だから要らない」


 少女から抉り取った斜視の左目
 念を込めると時空が歪む

 「人の子には不必要だ
  欠けているから人なんだ」

 眼球には時間操作の能力が宿っていた
 遡航、停止、未来には行けない
 後悔の思考停止と変わりない
 何の役にも立たない力だ

 神は眼球を無機物に変化させると
 自らのローブにブローチとして付けた

 神は命を奪う
 神は魂を抜く
 魂は天使になる
 魂は機械になる
 天使は唄う機械

 「君も天使にしてやろうか?」

 緑髪の少女の命が奪われた
 黄髪の双子の命が奪われた

 世界には天使の歌が蔓延した
 人の子は天使の歌を唄った

 神…
 神曲…
 唄う天使…
 歌う人の子…
 天使の作り方…

 「過去に前進しても
  未来に巻き戻る
  現在何をするかなんだ」

 「…僕も人も変わってない」

 神はカゲロウの向こうで悩む日々を繰り返す

4 「プロローグ」
 「大丈夫、わたしが運命を受け止めるよ」

 時計のような模様になった、
 外を向いた右目が元に戻る 

 前髪をいつも通りに下ろすと
 セルロイドの黒縁眼鏡をかけて
 月夜を窓越しに見上げる女の子

 白い猫を撫でる左手首には
 痛々しい縦筋が刻まれている

 短い黒髪、中世的な顔立ちと雰囲気
 大人のような、子どものような
 どこにでもいそうな
 曖昧で独特な空気を匂わせ
 女の子は決意の表情を固め、

 「明日わたしは死ぬ」

 …呟いた


 女の子に時間遡航能力が芽生えたのは
 本日八月十五日より遡る
 数十年前の昨日八月十四日、
 連れの男の子が公園のベンチから、
 とびだした猫を追って、
 猛スピードで突っ込んできたトラックに
 引きずられて死んだ時だ

 事故現場にカゲロウのような空間の歪み
 その向こうに白髪の少年が嗤っていた

 次の八月十五日は
 男の子の手を引いて早めに帰ろうとすると
 道を抜けた時に、
 鉄柱が落下してきて男の子の心臓を貫き、
 男の子はまたしても死んだ

 その次の八月十五日は
 回り道をして帰ろうとしたが、
 男の子の足元の階段が突如崩れて、
 足場を踏み外して転げ落ち、
 女の子が駆け寄ると、
 打ち所が悪かったのか、
 男の子はまたしても死んだ

 繰り返して諦めかけた八月十五日に
 男の子を抱きとめた
 トラックが通り過ぎ、猫が轢かれて死んだ
 帰り道で鉄柱が落下してきた時も
 道を抜けるのを躊躇していると、
 悲鳴が聞こえてきて、そこには鉄柱に胸を貫かれ
 死んでいる子どもと、騒ぐ人たちがいた
 階段を登らずに、長い信号待ちをしていると
 お爺さんが階段から落ちて死んだ

 カゲロウの向こうから白髪の少年が叫んだ

 「なぜわかるんだ!」

 女の子は目が眩み、一瞬で思考を巡らせた

 「神…?
  殺された…
  また、殺される…
  運命から逃げたから、誰かが、身代わりに
  誰かが身代わりにならないと…止まらない…」

 甲高い音の雨が後ろで鳴り響く
 振り返るとガラスのシャワーを浴びた男の子が
 真っ赤になって、頭の中身を零して、
 死んでいた


 八月十五日の午後十二時半くらいのこと
 天気が良い

 「でもまぁ夏は嫌いかな」

 猫を撫でながら
 女の子はふてぶてしくつぶやいた

 女の子は昨晩、反省をしていた
 自分には時間遡航能力が身に付いている
 自分には過去に戻っても記憶が残っている
 男の子は記憶を継承していない
 カゲロウ(神)は「なぜわかるんだ」と言った
 恐らく記憶を継承していないのだろう

 そして、考えが正しければ
 死の運命は、回避しても誰かが身代わりに受ける
 男の子の代わりに、自分が身代わりになる
 陽炎の日々は今日で終わる

 そして彼女はトラックに轢かれて死んだ、
 はずだった


 「現在とは記憶の継承の繰り返しだね
  過去へ進んでも戻らないし
  未来から遡っても戻れない
  言えるのは誰しも先へ行くしかない
  ということなんだね」

 男の子は白髪の少年のセリフを反芻していた
 男の子の決意はそれでも揺れなかった

 連れの女の子の死を何度も見せられ
 カゲロウの向こうから嘲笑われ
 男の子は神を殺そうと決めた

 命は一度に一つしか奪えない、
 死の運命から逃げることはできない、
 自分が身代わりになったとしても、
 彼女は殺されるかもしれない

 死の運命は誰かが必ず受けなくてはいけない、
 ならば、可能性を切り開くしかない

 「神を、殺す
  身代わりになるのは、お前だ」

 猫がとびだした

 女の子を手で制す

 猫に追いつき、手で押しのける

 道路の真ん中へ走る

 トラックが突っ込んでくるが

 ギリギリ避けられる

 カゲロウの向こうに少年がいる

 文句ありげな顔をしている

 気付かれたか?

 動揺して足踏みを躊躇する

 間に合わない

 咄嗟に左目に力を込めると

 トラックが止まった

 蝉が空中で止まっている

 カゲロウも止まっている

 飛び込んだ

 神を羽交い絞めにして

 対向車線に来るトラックに向けて

 神を放り投げる

 自ら左手の親指で、左目を潰し、体をそらす

 瞬間

 神が

 トラックにぶちあたる

 目の前は血飛沫の色

 神の瞳

 軋む体

 今度こそ本当に文句ありげな神

 「ざまぁみろよ」と笑ってやった

 男の子は地面に落ちると同時に

 突然胴体が真っ二つに避けて即死した

 白髪の少年は、二つに分かれた死体を見下ろし
 背を向けたセーラー服の女の子に向けて話した

 「僕はすでに彼岸に居るんだ
  僕を殺すことはできない
  だけど一度に一つの命しか奪えないという
  君の考えは当たりだよ
  だから僕もこの日々を抜け出すことはできない
  先へ進みたいなら…」

 女の子は再び右目に力を入れて、
 念を込めて時間を巻き戻そうとした

8 「カゲロウデイズ」 ※原作の歌詞を借用しています
 8月15日の午後12時半くらいのこと
 天気が良い

 病気になりそうなほど眩しい日差しの中
 することも無いから君と駄弁っていた

 「でもまぁ夏は嫌いかな」

 猫を撫でながら君はふてぶてしくつぶやいた

 あぁ、
 逃げ出した猫の後を追いかけて
 飛び込んでしまったのは

 赤に変わった信号機

 バッと通ったトラックが
 君を轢きずって鳴き叫ぶ

 血飛沫の色、君の香りと
 混ざり合ってむせ返った

 嘘みたいな 陽炎が
 「嘘じゃないぞ」って嗤ってる

 夏の水色、かき回すような
 蝉の音に全て 眩んだ

 目を覚ました
 時計の針が鳴り響くベッドで

 今は何時?

 8月14日の午前12時過ぎ位を指す
 やけに 煩い蝉の声覚えていた

 でもさぁ、少し不思議だな。
 同じ公園で昨日見た夢を思い出した

 「もう今日は帰ろうか」道に抜けた時
 周りの人は皆上を見上げ口を開けていた

 落下してきた鉄柱が
 君を貫いて突き刺さる

 劈く悲鳴と風鈴の音が木々の隙間で空廻り

 ワザとらしい陽炎が
 「夢じゃないぞ」って嗤ってる

 眩む視界に君の横顔、
 笑っているような気がした

 何度世界が眩んでも
 陽炎が嗤って奪い去る。
 繰り返して何十年。
 もうとっくに気が付いていたろ。

 こんなよくある話なら
 結末はきっと1つだけ。
 繰り返した夏の日の向こう。

 バッと押しのけ飛び込んだ、
 瞬間トラックにぶち当たる

 血飛沫の色、君の瞳と
 軋む体に乱反射して
 文句ありげな陽炎に
 「ざまぁみろよ」って笑ったら

 実によく在る夏の日のこと。
 そんな何かがここで終わった。

9「エピローグ」
 「カゲロウデイズ
  僕の歌を永遠に伝えたい、伝えられない」

 繰り返した八月十五日の終焉
 神はブローチにしていた眼球を使って、
 時間遡航を発動させた

 左手でそれを砕き
 すぐさま詩を作った

 「あの男の子に僕の日々を歌って欲しい」

 神が二人の前に姿を現すことはなかった

 猫が飛び出した先に、トラックは走ってこなかった

 女の子は、しばらく涙を流していた

 その右目は普通の眼球に戻っていた

 「…未来に進めた?」


「カゲロウデイズ デニロウ版」制作者
 原作:
じん(自然の敵P) ※当作品とは無関係です
 歌手:でにろう
 MIX:過激派の田中くん
 エンコード:kenken
 絵画:壱維・赤卵
 写真:星原
 脚本・監督・動画:赤卵


「カゲロウデイズ デニロウ版」コンセプト・テーマ
 ●テーマ
  「未来」
 ●コンセプト
  「3人の主人公が同時に不可能な困難に立ち向かい、
   繰り返し試行錯誤の末、先へ行く答えを出す」
 ●マナー
  本編舞台は現代、主人公は神、女の子、男の子、
  神は人間の命を奪い、魂を利用して天使を作る
  天使は機械となり神の作った歌を唄う
  神は目を付けた男の子を殺そうとする
  女の子は男の子を救うため身代わりになろうとする
  男の子は女の子を守るため神を殺そうとする
  神は運命を操り人の命を奪う
  女の子と男の子は時間遡航能力で何度でもやり直す
  三すくみの状態で三者がどう決意するか
  3人の主人公
   運命を操り人の命を奪おうとする神
   運命を受け入れ命を捧げ命を救おうとする女の子
   運命に抗い神の命に逆らおうとする男の子
  不可能な困難
   神…心を奪えない
   女の子…人を救えない
   男の子…神に逆らえない
  先へ行く答え
   神…人の心を受け入れる
   女の子…運命を受け入れる
   男の子…可能性を切り開く
  「過去と決別して、
   未来を描き、
   現在動け」  
 ●トーン
  じん(自然の敵P)様原作「カゲロウデイズ」、
  オケ音源・歌詞を使用する
  歌い手はでにろう
  モノトーン・赤・水色の3つを基調色とする
  赤卵の動画、壱維の絵画、星原の写真の3つを
  表現に使用する
  神、女の子、男の子の3人の視点で表現する
  読ませる文字は歌詞のみ
  歌詞以外の文字は読ませない画像として使用する
  動きを魅せたい場面では文字は使用しない


「カゲロウデイズ デニロウ版」キャラクター設定
 ●男の子
   長髪、男子高生、半袖Yシャツ夏服、
   眉毛太い、口が大きい
   感情豊か、水色のシャツ
   左目に時間遡航能力覚醒
 ●女の子
   斜視の右目を前髪で隠している、眉毛は太めで薄め
   精神は中性で、見た目も中性的
   女子高生、半袖セーラー服、カメラをぶらさげてる
   セーラー服で寝る、ねこの星原(名前)と仲良し
   ポーカーフェイス、黒セルメガネ、赤色のリストバンド
   右目に時間遡航能力覚醒
 ●神(じん、カゲロウ)
   神、カゲロウデイズ作者
   白髪の少年、つり目、紅い瞳、エルフ耳
   明暗のローブ、時間遡航者の目玉で作ったブローチ
   左耳にカーフ、首にチョーカー
   運命を操る能力、命は一度の操作で一つまで奪える
 ●ねこ
   白い上品なシャム猫、耳はピンク、瞳は水色
 ●じゃがいも運送業者
   てつろう


「カゲロウデイズ デニロウ版」舞台設定
 ●イヴ(神視点)
  神、名称不明
  一度に一つの命を奪う程度の運命を操る能力
  本編より昔に、左目に時間遡航能力をもつ、
  舞台に登場する女の子の生き写しの少女と邂逅
  その関係と逸話は不明
  彼女は神を「じん」と呼んだ
  彼女は神によって命と左目を奪われる
  神のローブの真ん中にその左目で作った
  ブローチがついている。
  奪った命を利用して、天使を作ることができる
  天使には歌を唄わせている
  カゲロウの窓を通じて現世を見る
  魅力的な歌声を持つ男の子に一目惚れする
 ●プロローグ(女の子視点)
  8/15
   男の子がトラックにはねられ事故死
   女の子の右目に時間遡航能力が覚醒、発動
   記憶継承は女の子のみ
  何十年のループ
  8/14
   男の子を救うために
   明日は自分が身代わりに死ぬと決める
 ●カゲロウデイズ(男の子視点)
  8/15
   女の子がトラックにはねられ事故死(自殺)
   男の子の左目に時間遡航能力が覚醒、発動
  8/14
   男の子は体験を予知夢と認知する
   記憶継承は男の子のみ
  8/15
   女の子に落下してきた鉄柱が刺さり事故死
   男の子の時間遡航能力発動
   記憶継承は男の子のみ
  数十年のループ
   男の子は、女の子の死を回避するたびに
   他の命が一つ奪われることに気付く
   最初のトラックを回避すると、
   猫が対向車線ではねられて死ぬ
  8/14
   カゲロウの向こうで笑う神に
   死の運命を身代わりにさせて殺すと決める
  8/15
   男の子は、猫を追う女の子を手で制し、
   猫を手で押しのけて、道路の真ん中へ走る
   カゲロウの向こうで文句ありげな神
   最初のトラックにはねられそうになるが
   そこで時間停止能力発動
   静止した時間の中、神を羽交い絞めにして
   対向車線のトラックへつっこむ
   自ら左目をつぶし時間が動き出す
   神がトラックにぶちあたる
   男の子ははねとばされて電柱に首が突き刺さる
   神は再生しながら捨て台詞
   女の子の時間遡航能力発動
   (実際は先に神が時間遡航発動)
  8/14
   記憶継承
    女の子:男の子を救えなかったループの記憶
    男の子:何も覚えていない
    神  :本編の記憶(カゲロウデイズ)
   女の子は「またダメだったね」と猫につぶやき
   明日は自分が身代わりに死ぬと決める
 ●裏カゲロウデイズ(神視点) 
  8/15
   天使を作るために男の子の命を奪う
   女の子の右目に時間遡航能力が覚醒、発動
   記憶継承は女の子のみ
  数十年のループ
  8/15
   天使を作るために男の子の命を奪おうとする
   女の子が身代わりに事故死する
   男の子の左目に時間遡航能力が覚醒、発動
   記憶継承は男の子のみ 
  数十年のループ
  8/15
   女の子が身代わりに死のうとし、
   男の子がそれを防ぐ、数回の繰り返し
   時間遡航に気付き、大胆に女の子の命を奪う
  8/14
   男の子は、神に死の運命を身代わりにさせて
   殺すと決める 
  8/15
   男の子に殺されそうになる神
   ありえない行動に全てを気付く
   自分も諦めないから全員が抜け出せない、と
   捨て台詞を吐く
   女の子が時間遡航を発動する前に
   自ら時間遡航能力を発動
 ●エピローグ
  8/14
   女の子:またダメだったね、と猫につぶやき
       明日は自分が身代わりに死ぬと決める
   男の子:何も覚えていない
       後にカゲロウデイズの歌を唄う
   神  :二人の前から姿を消す
       カゲロウデイズの詩を作る
       天使に歌わせて現世へ送る
  8/15
   猫がとびだした先にトラックは走ってこない
   男の子と女の子はハッピーエンド


「カゲロウデイズ デニロウ版」筋書
 ●前書
  「君には僕のために永遠に歌を唄ってもらうよ」

  運命を操れる神(じん、カゲロウ)は、
  魅力的な歌声を持つ男の子に一目惚れする
  男の子を彼岸に連れ去るため
  運命を操作して事故死させる
 
  男の子と一緒にいた女の子が時間遡航を発動させる
  女の子以外は記憶を継承しない
  しかし何度でも神は何度でも男の子を殺す
  女の子は救うことをついに諦めて
  男の子の死の運命を身代わりで受けようとする
 
  さらに男の子に同じく時間遡行を発動する
  男の子は昨日8/15までの記憶を継承する
  女の子は一昨日8/14までの記憶を継承し、
  昨日8/15の記憶は継承しない

 ●本編
  「現在とは記憶の継承の繰り返しだね
   過去へ進んでも戻らないし
   未来から遡っても戻れない
   言えるのは誰しも先へ行くしかない
   ということなんだね」

  男の子が死の運命から何度救おうとしても
  女の子は死んでしまう
  誰かがカゲロウの向こうで笑っている
  
  男の子は運命操作の条件に気付く
  女の子が死ぬ直前にカゲロウの向こうの存在が現れる
  死を一つ回避すると身代わりで他の命が奪われる
  やってくる死をもたらす不幸の順番はいつも同じ
  何度回避しても結局体力が尽き女の子は死んでしまう
 
  男の子は神をトラックへ当てて殺そうと決意する
  「作られた運命で死ぬ命は一度に一つまで
   神が死ねば自分は助かるはず」

  しかし死んだのは男の子だった

  「僕はすでに彼岸に居るんだ
   僕を殺すことはできない
   だけど一度に一つの命しか奪えないという
   君の考えは当たりだよ
   だから僕もこの日々を抜け出すことはできない
   先へ進みたいなら…」

  自分の数多の死を知らない女の子は
  時間遡航を発動させようとする

  全てを悟った神はその前に自ら時間遡航を発動する

  前日の記憶を失った女の子は
  「またダメだったよ」と猫につぶやく

  記憶を継承した神は二度と二人の前に現れない
  男の子と女の子はカゲロウデイズから抜け出す

 ●後書
  女の子が何度男の子を救おうとしても
  男の子が何度女の子を救おうとしても
  神が人を手に入れようとしても
  何度繰り返しても
  何度巻き戻しても
  過ぎ去った運命は変えられない

  我々は過去へ前進しても立ち往生してしまう
  後退しても未来へ連れ去られるのだ

  先へ行かなければあなたもカゲロウデイズから
  抜け出せないことになる


「カゲロウデイズ デニロウ版」演出
(冒頭)
 ●本家の波形を手書きで表現
  瞳から見た視点
  カメラから見た視点

(前奏)
 ●タイトルの入るイントロでフラッシュバック

(1A)
8月15日の
午後12時半くらいのこと
天気が良い
 ●日記、星原写

病気になりそうなほど
眩しい日差しの中
することも無いから君と
駄弁 (だべ)っていた
 ●男の子と女の子、公園にて
  女の子の表情はまだわからない、壱維画
  背景は太陽と空、星原写

(1B)
「でもまぁ夏は嫌いかな」
 ●黒背景に白文字

猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた
 ●女の子、猫に「おいきなさい」と目で合図
  「夏」はこの「カゲロウデイズ」をさす
  諦めと憎しみの表情で「嫌い」と言う
  神に聞かせるように、「ふてぶてしく」
  猫と女の子壱維画

あぁ、逃げ出した猫の
後を追いかけて
 ●実は「逃がした猫」、「覚悟の顔」で追いかける
  透明度操作でコマアニメ
  正面アングル、トラックは右から
  猫と女の子壱維画

飛び込んでしまったのは
赤に変わった信号機
 ●歩行者信号機は青のまま、血で赤に変わる、赤卵絵

(1サビ)
バーッと
 ●スローで女の子がトラックにぶちあたる
  ここから赤卵絵

通った
 ●顔面崩壊でストップ

トラックが
 ●通常スピードに戻ってトラック通過

君を轢きずっ
 ●バウンドした女の子を前輪にまきこみひきずる
  片足が足首からはずれてとんでいく

てー鳴き叫ぶ
 ●手の動きアップ(中止)
  ひきずる両足、ちぎれる右足、左足、血の跡

血飛沫の色、君の香りと
 ●男の子顔面蒼白、血飛沫と内臓が舞う(中止)
  男の子の顔、中指が取れ骨折した左手

混ざり合ってむせ返った
 ●顔に血がかかる
  神の白い影、壱維画

嘘みたいな 陽炎 (かげろう)が
「嘘じゃないぞ」って 嗤 (わら)ってる
 ●血まみれ公衆電話、星原写
  神の影、壱維画

夏の水色、かき回すような
 ●口元からすべてがゆがみ、かき回される(中止)
  水色の空、風景、血の乾いた標識、星原写

蝉の音に全て 眩 (くら)んだ
 ●画面両側にサイケな蝉、赤卵持参画像
  中央にカゲロウを見上げる男の子、壱維画
  画面ブラー回転アップ、空と木、星原写
  カゲロウ→セミ→間奏で実写使う(中止)

(1間奏)
 ●女の子の手と血溜まり、血をあびた男の子、赤卵絵

(2A)
目を覚ました
時計の針が鳴り響くベッドで
今は何時?
 ●目、写る部屋の中、時間遡航の目、赤卵絵
  からの時計、壱維画
  背景寝る星原、星原写
  からの目、暗闇へ、赤卵絵

8月14日の午前12時過ぎ位を指す
やけに 煩 (うるさ)い蝉の声覚えていた
 ●木漏れ日、夏の日差し、光の輪、星原写
  からの蝉、耳に蝉、赤卵絵

(2B)
でもさぁ、少し不思議だな。
 ●白背景に黒文字

同じ公園で昨日見た夢を思い出した
「もう今日は帰ろうか」
 ●1Aの絵反転、壱維画

道に抜けた時周りの人は皆
上を見上げ口を開けていた
 ●灰色のモブ、口だけリアル、壱維画
  (スタッフ間ではあげぽよと呼びます)

(2サビ)
落下してきた
 ●ヤリのような鉄柱落下、女の子視点
  女の子の右目へ落下、ヤリ視点
  6コマ一瞬のコマアニメ、壱維画

鉄柱が
 ●目玉にヤリ、赤卵絵
  
君を貫いて突き刺さる
 ●上向く女の子、シルエット絵になりヤリ貫通
  腕だらん、壱維画
  目からの血噴射、赤卵絵

劈 (つんざ)く悲鳴と
 ●赤卵絵
  トドメの鉄板で女の子真っ二つ(悲鳴)

風鈴の音が木々の隙間で空廻り
 ●頭が半分に鉄板から粘液(木々の隙間)
  後ろに笑うカゲロウ(風鈴の音)、赤卵絵

ワザとらしい陽炎が
「夢じゃないぞ」って嗤ってる
眩む視界に君の横顔、
 ●壱絵
  半分頭、ねこ、カゲロウが同じ目つきでにやける
  壱維絵

笑っているような気がした
 ●半分だけの笑顔、壱維画

(2間奏)
 ●半分顔を神がぶちまける、赤卵絵
  赤卵文字ぶちまけ
  内容はエピソードイヴ
 ●赤卵文字ぶちまけ+女の子壱維画
  内容はプロローグ
  トラックにはねられて死んだ男の子、赤卵絵
  それを見下ろす女の子、赤卵絵
  女の子と猫、部屋にて、壱維画
  身代わりを決意する女の子、壱維画

(C) 何度世界が眩んでも
陽炎が嗤って奪い去る。
繰り返して何十年。
もうとっくに気が付いていたろ。
 ●首絞め絵背景、壱維画
  ゆるやか文字表現

こんなよくある話なら
 ●男の子は、猫を追う女の子を手で制し、
  時間停止能力を発動

結末はきっと1つだけ。
 ●猫を手で押しのけて、道路の真ん中へ走る

繰り返した夏の日の向こう。
 ●上からの構図、トラック二台と鳥、神が静止
  止まった時の中を男の子が走る

(音が止まる瞬間)
 ●影法師の写真、星原写

(3サビ)
バッと押しのけ飛び込んだ、
 ●静止した時間の中、神を捕まえる

瞬間トラックにぶち当たる
 ●対向車線のトラックへ神を放り投げる

血飛沫の色、君の瞳と
 ●自ら左目をつぶし時間が動き出す
  トラックが走り出し、鳥が飛ぶ
  男の子は横転

軋む体に乱反射して
 ●iPhoneの画面に現実がうつっている
  泣きながらブローチに手をやる神
  トラックにはねられる神

文句ありげな陽炎に
 ●文句ありげな神
  トラック轢かれる神

「ざまぁみろよ」って笑ったら
 ●男の子のざまあみろと言った顔
  現実はすでに死んでいた
  時間停止能力などはなく走馬灯
  神は全てを悟り、過去と決別、
  自分の望みを捨てて、二人の未来を願い、
  先へ進むため決意する
  神、泣きながら笑う

実によく在る夏の日のこと。
そんな何かがここで終わった。
 ●上からの構図、現実
  男の子の体は真っ二つ
  女の子が右目に手をかざす
  神は背を向けたまま時間遡航発動

目を覚ました8月14日のベッドの上
少女はただ
「またダメだったよ」と
一人猫を抱きかかえてた
 ●窓の外に神
  神、時間遡航能力のブローチを
  握りつぶして二人はハッピーエンド


「カゲロウデイズ」原作歌詞

作詞:じん(自然の敵P)
作曲:じん(自然の敵P)
編曲:じん(自然の敵P)
唄:初音ミクAppend

8月15日の
午後12時半くらいのこと
天気が良い

病気になりそうなほど
眩しい日差しの中
することも無いから君と
駄弁 (だべ)っていた

「でもまぁ夏は嫌いかな」
猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた

あぁ、逃げ出した猫の
後を追いかけて
飛び込んでしまったのは
赤に変わった信号機

バッと通ったトラックが
君を轢きずって鳴き叫ぶ
血飛沫の色、君の香りと
混ざり合ってむせ返った
嘘みたいな 陽炎 (かげろう)が
「嘘じゃないぞ」って 嗤 (わら)ってる
夏の水色、かき回すような
蝉の音に全て 眩 (くら)んだ

目を覚ました
時計の針が鳴り響くベッドで
今は何時?

8月14日の午前12時過ぎ位を指す
やけに 煩 (うるさ)い蝉の声覚えていた
でもさぁ、少し不思議だな。
同じ公園で昨日見た夢を思い出した
「もう今日は帰ろうか」道に抜けた時
周りの人は皆上を見上げ口を開けていた

落下してきた鉄柱が
君を貫いて突き刺さる
劈 (つんざ)く悲鳴と
風鈴の音が木々の隙間で空廻り
ワザとらしい陽炎が
「夢じゃないぞ」って嗤ってる
眩む視界に君の横顔、
笑っているような気がした

何度世界が眩んでも
陽炎が嗤って奪い去る。
繰り返して何十年。
もうとっくに気が付いていたろ。

こんなよくある話なら
結末はきっと1つだけ。
繰り返した夏の日の向こう。

バッと押しのけ飛び込んだ、
瞬間トラックにぶち当たる
血飛沫の色、君の瞳と
軋む体に乱反射して
文句ありげな陽炎に
「ざまぁみろよ」って笑ったら

実によく在る夏の日のこと。
そんな何かがここで終わった。

目を覚ました8月14日のベッドの上
少女はただ

「またダメだったよ」と
一人猫を抱きかかえてた



設定資料:赤卵
原作・作詞:じん@自然の敵P様
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